

現在米国株価が乱高下していてS&P500に投資しているんだけど下がっている今のうちに一気に仕込んだ方がいいの?



その件については色々な意見に分かれると思います。
この記事では過去の暴落の歴史から今回のような暴落が起こった際の行動戦略を考えていきたいと思います。
現在の市場状況
振り返ると、2024年はアメリカ大統領選挙への期待感や、今後の利下げが見込まれる状況から、株価は順調に上昇してきました。
しかし、2025年に入ると状況は一変します。トランプ大統領が、関税を中心に様々な政策に関する発言を行うようになり 、これが市場に影響を与え始めます。


2025年に入り一時的に株価が上昇する場面もあったものの、2月中旬頃から下落傾向に転じ、2025年4月にはトランプ大統領が具体的な関税率を発表しました。特に日本に対しては24%の関税が課されるという報道もあり、大きな話題となりました。これらの発言や政策発表を受け、S&P500は再び下落し、2025年に入ってから株価は乱高下を繰り返す状況となっています。この状況は「トランプショック」とも呼ばれ、投資家の間で今後の動向に対する懸念が高まっています1。



このような市場の現状を踏まえ、本記事ではS&P500の今後の見通し、過去の暴落事例からの回復期間の分析、そして投資家が取るべき行動戦略について詳しく解説していきます。今後のS&P500の動きや回復時期について不安を感じている方は、ぜひ本記事を最後までお読みください!
なぜ今S&P500が下落しているのか?トランプ大統領の関税政策の影響
2023年から2024年にかけて、S&P500は順調に上昇しました。その背景には、今後の大統領選挙への期待感や、利下げが視野に入ってきたという市場の楽観的な見通しがありました。
しかし、2025年に入ると状況は一変します。トランプ大統領が就任し、関税を中心に様々な政策に関する発言を始めたことが、市場の大きな転換点となりました。当初、2025年に入って一時的に株価が上昇する局面もあったものの、2月中旬頃からS&P500は下落基調へと転じます。



この下落に拍車をかけたのが、2025年3月以降のトランプ大統領による具体的な関税政策に関する発言です。その中には、日本に対して24%という高い関税率が課されるという報道もあり、大きな話題となり、市場に衝撃を与えました。
これらの関税に関する一連の発言と具体的な政策発表を受け、S&P500は再び大きく下落しました。


チャートによると、2025年1月1日から4月4日までの期間で、S&P500は大幅な下落を記録しています。これは、過去1年間のチャートと比較しても明らかであり、最高値から見ると20%程度の下げ幅となっています。
このように、2025年に入ってからのS&P500の株価の乱高下と下落の背景には、トランプ大統領の関税政策とその関連発言が強く影響していると考えられます。市場は、保護主義的な貿易政策が世界経済や企業収益に与える影響を懸念し、「トランプショック」とも言える状況に陥っていると言えるでしょう。



今後もトランプ大統領の政策動向や市場の反応に注目していく必要があります。
過去の暴落から学ぶ:下落幅と回復期間の相関関係



過去のS&P500における10%以上の下落を伴う暴落とその後の回復期間について、具体的なデータを基に分析しています。これは、現在の株価下落の状況を踏まえ、今後の回復時期を予測するための重要な手がかりとなります。
<2000年以降の主な暴落と回復期間>
•2000年 ITバブル崩壊: 下落率49%、回復まで7年間
•2007年 リーマンショック: 下落率56%、回復まで5年半
•2010年: 下落率16%、回復まで6ヶ月以内
•2011年: 下落率19%、回復まで1年以内
•2015年: 下落率14%、回復まで1年2ヶ月
•2018年: 下落率19%、回復まで7ヶ月
•2020年 コロナショック: 下落率34%、回復まで5ヶ月
•2022年 利上げ: 下落率25%、回復まで2年間ぐらい
•2023年: 下落率10%、回復まで4ヶ月ぐらい



これらの過去のデータを見ると、下落幅と回復期間の間には、ある程度の相関関係が見られることがわかります。
•一般的に、下落幅が小さい場合(10%~20%程度)は、回復までの期間も比較的短く、半年から1年程度で回復するケースが多いと解説されています1。2010年、2011年、2015年、2018年、2023年の下落がこれに該当します。
•下落幅が30%を超えるような大きな暴落の場合、回復には数年単位の時間を要する傾向があることが示されています。ITバブル崩壊やリーマンショックがその例です。ただし、2020年のコロナショックのように、大幅な下落(34%)にもかかわらず、異例の速さ(5ヶ月)で回復したケースも存在します。これについては、アメリカ政府による大規模な金融緩和策という特殊要因がありました。



現在のS&P500の下落幅について、最高値から20%程度です。この下落幅を過去のデータに照らし合わせると、回復までには半年から1年程度の期間を要する可能性が考えられると考えられます。
これはあくまで過去の傾向からの推測であり、今後の市場の動向は様々な要因によって左右されます。特に、現在の株価下落の主な要因として挙げられているトランプ大統領の関税政策が、今後どのように展開していくかによって、回復期間は大きく変動する可能性もあります。もし、今後さらに大きな下落が起こるような事態になれば、回復にはより長い時間を要することも想定しておく必要があります。



過去の暴落事例から学ぶことは重要ですが、現在の市場状況を冷静に分析し、今後の不確実性も考慮しながら投資戦略を立てていくことが大切であると言えるでしょう。
今は本当に買い時なのか?過去の暴落時の下落期間との比較
現在のS&P500は、最高値から20%程度下落している状況です。この状況を見て、「暴落は買いのチャンスだ」と考える方もいるかもしれません。



過去の暴落時の下落期間と比較してみると、今すぐに一括投資に走るのは慎重になるべきだと思います。
<過去の主な暴落において、最高値から最安値まで下落する期間>
•ITバブル崩壊(2000年): 回復までに7年間を要しましたが、最高値から下落が本格化するまでには2年半ほどの時間をかけてじわじわと下がっていきました。
•リーマンショック(2007年): 回復まで5年半かかりましたが、最高値から最安値までは1年半ほどの期間をかけて下落しました。
現在の「トランプショック」と呼ばれる状況においては、2025年に入ってから株価は乱高下し、4月4日時点で最高値から約20%の下落となっています。しかし、過去の大きな暴落と比較すると、まだ下落が始まってから比較的短い期間しか経過していません。ITバブルやリーマンショックの際には、本格的な下落が始まるまでにもっと長い時間をかけて株価が推移していたことを考えると、今後さらに下落が続く可能性も考慮に入れるべきだと予測します。



したがって、現在の株価下落を単に「バーゲンセール」と捉え、すぐに一括投資を行うのは時期尚早である可能性があります。
過去の暴落では、時間をかけてじわじわと下落していくケースも見られたため、今が底値であると断定することは難しいと言えるでしょう。
今すぐに一括投資をするのではなく、積立投資を継続することをおすすめします。積立投資は、価格が下落した際にはより多くの株数を購入できるため、長期的に見ると有利に働く可能性が高いと説明されています. また、状況によっては、積立金額を増額したり、積立投資を継続しながら慎重に小刻みに一括投資を行うことも選択肢として考えるのも良いでしょう。
まとめとして、現在の20%程度の株価下落は、過去のデータから見ると回復に半年から1年程度を要する可能性が考えられます。しかし、過去の暴落時の下落期間と比較すると、まだ下落途中段階である可能性も否定できません。そのため、焦って一括投資を行うのではなく、積立投資を基本としつつ、今後の市場の動向を冷静に見極めることが重要であります。
下落局面における投資家の行動戦略:提案する3つのパターン
•パターン1:自動戦略(ただただ積立を継続する)
この戦略は、市場の状況に関わらず、毎月決まった金額を淡々と積立投資し続けるというものです。
たとえ市場に荒波が押し寄せても、地震や火事が起きても、何も考えずに積立投資を続けることが、お金を増やすための最もシンプルな方法の一つです。株価が下落した際には、より安い価格で多くの株数を購入できるため、長期的に見ると有利に働く可能性が高いのです。
•パターン2:積立金額増額戦略
この戦略は、下落局面をチャンスと捉え、通常の積立投資に加えて、一時的に積立金額を増やすというものです。
例えば、毎月5万円を積立投資している場合、この下落局面の間だけ10万円や15万円に増額するといった方法です。相場が問題なく上昇した場合でも、通常の積立投資と同じ効果が得られ、もし下落が続いた場合には、より多くの株数を安い価格で購入できるため、将来的なリターン増加が期待できます。
•パターン3:積立継続+ピンポイント一括投資
この戦略は、積立投資を継続しながら、市場のタイミングを見計らって小刻みに一括投資を行うというものです。例えば、毎月決まった金額を積立てつつ、相場が大きく下落したタイミングで、ある程度のまとまった資金を投資するといった方法です。重要なポイントは積立投資は継続することです。なぜなら、いつまで下落が続くのかを予測することは困難であるため、積立投資によって価格が安い時期にも自動的に購入し続けることができるからです。その上で、 戦略として、タイミングを見て一括投資を行うことで、より大きなリターンを目指す考え方です。



これらの戦略を実行する上で、不安だからといって積立投資をストップしたり、NISAを始めるのをやめたり、株式を債券に切り替えたりするような行動は絶対に避けるべきです。
株価が下落している時期こそ、将来のリターンのために株を仕込むべき時であり、このような時に投資をやめてしまうと、株式投資のメリットを享受できなくなります。
投資家が絶対にやってはいけないこと



現在のS&P500の下落局面において、投資家が絶対に避けるべき行動について考えていきましょう。
<1,不安だからといって積立投資をストップすること >
市場が下落している時こそ、将来のリターンのために株を仕込むべき重要な時期です。「よくわかんないし、不安だから積立をストップする」のは避けるべき行動です。下落時に積立を継続することで、より安い価格で多くの株数を購入でき、長期的な回復時に大きな利益を得るチャンスを逃してしまうからです。
<2,NISAなどの新規投資を始めるのをやめること>
トランプ大統領の関税政策などで市場が不安定になっていることを理由に、これからNISAなどの新規投資を始めようとしていたのをやめてしまうのも避けるべきです。このような時こそ、長期的な視点で投資を始める好機であり、短期的な市場の変動に左右されて投資を控えるのは機会損失につながります.
<3,保有している株式を債券に切り替えること>
株価が下がっていくのを見て心配になり、これまで積み上げてきた株式を債券に切り替えるのも非常に悪い判断です。株価は下落する局面もありますが、いつかは回復するものであり、下落時に売却してしまうと、その後の回復による利益を得ることができなくなります。むしろ、下落している時こそ株を「仕入れる」べきなのです。



市場の短期的な変動に惑わされず、積立投資を継続し、長期的な視点を持って投資を続けることが重要なのです。
まとめ:今後の見通しと投資の心構え
<今後の見通し>
過去のデータに基づくと、10%から20%程度の下落の場合、回復までには半年から1年程度の期間を要する傾向が高いです。現在のS&P500は約20%の下落であるため、今後半年から1年程度は株価の回復に時間がかかる可能性があります。



個人的な見解として、今後2年程度がS&P500などの株式の仕込み時であると考えます。
<投資の心構えと行動戦略>
・短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが重要です。目先の株価の動きに捉われず、10年後、20年後を見据えた投資判断を心がけるべきです.
•市場の状況を客観的に分析し、感情的な判断を避けることが大切です
•下落局面を「バーゲンセール」と捉え、冷静に行動することが重要です
<結論>
現在のS&P500の下落は、過去の傾向から見て回復に時間を要する可能性があります。しかし、悲観的になるのではなく、長期的な視点を持ち、積立投資を基本としながら、状況に応じて投資額を調整したり、慎重に一括投資を検討したりすることが賢明な投資戦略と言えるでしょう。
市場の短期的な変動に惑わされず、冷静な判断と継続的な投資が、将来の資産形成につながります。
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