【老後資金】退職金を”個人年金保険”で運用するのはアリ?

老後資金

最近私の知り合いで定年前に早期退職した人が「ある相談」をしてきました。

もらった退職金の一部を運用したくて、約1000万程を「個人年金保険」で運用したいと思っているんだけど、、、

結論から言うと私個人的には「要らないです」回答しました。

理由は、、、

様々なリスクを引き受けて1%程度のリターンにしかならないからです。

資産運用をしていく中で大事だと感じているものは、
《自分にとってリスクに見合うリターンが得られるかどうかで判断する》
と言うことです。

個人年金保険のリスクに見合うリターンが得られるかどうかの判断基準は
1️⃣リスク
2️⃣利回り

つまりリスクとリターンを見て判断できれば大丈夫だと言うことです。

そのためには1️⃣と2️⃣を「見える化」しないといけないのです。

つまり、
1️⃣ではリスクを洗い出す
2️⃣
では利回りを計算する

これを知らずして判断は難しいです。
前提条件の情報が正しくないと正しい判断ができないからです。

なので今回は質問を基にリスク利回りを検討していきたいと思います。

銀行や証券会社にカモにされない「判断する力」を身につけましょう!!

目次

個人年金保険で運用するのはどうか?

質問である「退職金1000万円を個人年金保険で運用するのはアリ?」
について1000万円をつぎ込む個人年金保険を例にして解説します。

<1000万円をつぎ込む個人年金保険>
 ・60歳(現時点)で保険料の全額(1000万円)を納付
 ・65歳〜79歳の15年間、年金として受け取れる
 ・6年目以降年金給付額が毎年5%ずつ増えていく
 ・受け取り総額は約1140万円

「少しでも増えるならいいね」と思いがちな保険です。

まず、リスクを洗い出してみると思いつくだけでもリスクが7つもあります。

リスクがそんなにあるの、、、?

☑️リスクを見ない人
☑️表向きの利回り(表面利回り)だけを見てしまう人

こういう人はどこかで必ず損をしてしまいます。

リスクその1:元本割れリスク

個人年金保険について確認してみたところ、
「年金の給付額は確定」との事でした。
つまり、、
満期(80歳)まで個人年金保険を解約しないのであれば元本割れは発生しない
<1000万円の保険料に対して約1140万円の受取額は確定>という事です。

しかし、途中解約した場合、、、、
❌解約手数料・違約金込みで元本割れするリスクがある

リスクその2:為替リスク

今回の個人年金保険は円建てなので”為替リスクはない”と言えるでしょう。

しかし外貨建ての場合、、、
為替相場が暴れるので注意が必要です。

運用期間が20年と長期間になると影響は大きくなります。

リスクその3:税務リスク

課税上の問題はないか確認しておきましょう。

・保険料の負担者=年金の受取人
  ⇨本人間なので贈与税はかからない

・保険者が80歳まで生存していた場合
  ⇨年金は雑所得になる。(所得税がかかる)

・保険者が80歳到達前に亡くなった場合
  ⇨相続人が年金受給権を引き継ぐ。(相続税が発生)

通常の個人年金と比べて取り立てて大きな問題はないと言えます。

リスクその4:金利リスク

現在は史上稀に見る低金利時代です。

もし今後、日本がアメリカのように利上げを行なっていくのであれば、、、
低金利時代に契約した個人年金保険は一気に魅力のない年金になってしまいます。

どういったことかというと、、、
例)日本がアメリカのように利上げすると
  銀行に預けていれば年1%ずつ増加していくのですが、個人年金保険は年0.5%ずつしか増加しない。

とったことが起こる可能性があるのです。

<20年もあれば金利水準はかなり変化する>
バブル期は年利約7〜8%ですが
現在は年利約0.1%です。

今の時点でこの低金利で固定しても良いのか、、、と思います。
とはいえ大胆な利上げはできないと多います。(国債の利息の負担増加の為)

リスクその5:流動性リスク

「流動性リスク」って?

これは大事な観点で
「必要な時に資金を手元に確保できないリスク」の事です。

退職金1000万円を個人年金で運用していくことになると
”20年間お金の流れが固定されてしまう”ということになり、まとまったお金が必要なタイミングで使えないということになります。
例)家のリフォームが必要になった、老人ホームに入りたくなった等

個人年金保険は”65歳〜79歳の15年間、年金として受け取る”のでつまり
「15年かけて分割で受け取る」ということになるのでまとまったお金を用意することが難しくなります。

しかも途中解約すると元本割れリスクがあります。

リスクその6:インフレリスク

現在の日本では「インフレ目標年利2%」と掲げています。
つまり個人年金保険が”年率2%未満の運用”だった場合、実質的にお金が目減りしていく可能性があるということになります。

「物価が年利2%で個人年金保険は1%とする」
毎年1%ずつ実質的にはお金が目減りしていくことになります。

リスクその7:長生きリスク

人生100年時代と言われている時代に80歳で資金が底をついて大丈夫なのでしょうか?

・現在の日本人の平均寿命
  男性:約81歳    女性:約87歳
と言われています。

仮に100歳まで生きるとして、、、
 公的年金だけでは足りない場合=他に備えが必要になってきます

個人年金保険は「有期年金」と言われていてもらえる期間が決まっているので、長生きリスクに対応していないのです。

リスクのまとめ

①元本割れリスク・・・・・・ナシ(満期まで解約しなかった場合)
②為替リスク・・・・・・・・ナシ
③税務リスク・・・・・・・・ナシ
④金利リスク・・・・・・・・アリ
⑤流動性リスク・・・・・・・アリ
⑥インフレリスク・・・・・・アリ
⑦長生きリスク・・・・・・・アリ(対応していない)

個人年金保険で運用すると結局いくらになるのか?

いくらか計算する前に個人年金保険の設計を見てみましょう。

<個人年金保険>
 ・60歳で1000万円
 ・65歳から受給開始(年額約62万円)
 ・受給期間は15年間
 ・6年目以降、年金は毎年5%ずつ増えていく
 ・年金の受取総額は約1140万円

この条件での最終利回りはわかりますか?

わからない、、、

では計算式を覚えておきましょう!

個人年金保険とは
・5年間の据え置き期間がある。
・その後給付がはじまる。
・6年目以降から年金が増え
ていく。

といったように複雑な金融商品なのです。

《真実を映し出す「投資界のラーの鏡」》

そのように呼ばれている計算式があります。

それは「IRR関数」です。

こちらの関数を使って個人年金保険の複利計算(IRR関数)を行なってみると、
最終的に「年利は1.05%」になります。

そんな細かい計算はムリ、、、

そんな方は
「期首残高1000万円だったものが20年かけて受取額累計が約1140万円になった」と覚えておけば大丈夫です。

「IRR関数」を使用した計算ができるようになるとぼったくり保険に騙されなくなると思います。

・個人年金保険
・貯蓄型終身保険
・学資保険
といった商品で、

返戻率⚪︎%ですよ!!

と言われても落ち着いて自分で年利(複利)を算定してみましょう。
そうすればおのずとぼったくり商品に騙されることは無くなると思います。

どうやって計算すればいいの?

エクセルやスプレットシートで簡単に計算できます!
誰でも簡単にできるのでぜひ使ってみてください。

【小金持ちへの第一歩は証券口座を持つこと!!】

・楽天ポイントを貯めている人なら、、、

・VポイントやPontaポイントを貯めるなら、、、

・dポイントやAmazonポイントを貯めるなら、、、

まとめ

最終判断【この個人年金保険は買いか?】

今回の個人年金保険に投資するというのは、、、
0.15%の追加金利を受けるために各種リスクを引き受ける
ということ

簡単にいうと、
0.15%の追加リターンを受けるのと各種リスクを天秤にかけて見合っていると感じれば「買い」
各種リスクを受けてまで0.15%しか追加リターンを獲られないと思うなら「見送り」

私個人としては見合っていないと感じるので「見送り」です。
世の中にはもっとマシな投資商品がいっぱいあると思うからです。

<天秤にかけるまでの流れ>
1️⃣リスクを洗いだす

2️⃣リターンを計算する

3️⃣リスクとリターンを比較する

結局のところ銀行・証券会社・保険会社にカモにされてしまう人は、、、

❌リスクを洗い出せない
❌リスクの大小を測れない
❌正しいリターンを計算できない
❌リスクとリターンが見合っているのか判断できない

人です。

最終的にリスクを引き受ける人は銀行や保険会社ではなく「お金を出した本人」なのです。

最終的なまとめとして

リスクをあらい出して、リターンを計算する
見合うかどうかは自分で判断しよう!!

今回は「前提条件の見極め方」を解説しましたが、これを知っていると保険会社等が騙しにきても騙されにくくなります

何事にも計算して検討することを当たり前にできるようになりましょう!!

貯蓄の無料相談サイト「ガーデン」
老後資金

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次