最近、物価上昇やインフレーションの話題が世界中で取り上げられています。例えば、Googleニュースでは「消費者物価上昇率が予想を上回る」という見出しを見ることができます。これは、商品やサービスの価格が上昇していることを示しています。
インフレ・デフレとは?
簡単に言えばインフレとは【モノの値段が上がり続ける状態】のことですが、モノの値段が上がることは、言い換えると「お金の価値が下がる」ことです。例えば、それまで100円で買えていたジュースが2倍の200円になったとします。同じジュースを手に入れるのに以前の2倍のお金が必要になったわけですから、お金の価値は2分の1になったといえるでしょう。
日本でインフレが起こると、「円というお金の価値が下がる」ことから、円安になる可能性があります。円安になると、輸出業が好調になったり、外国からの観光客が増えたりという点はメリットです。一方、輸入品が高くなったり、海外旅行の費用が高くなったり、現地での買い物が高くついたりすることがデメリットとして挙げられます。
1ドル用意するのに100円で良かったのが150円まで円の価格が下がったら、海外から見たら1ドルで150円分の買い物ができる事になる!
海外の人から見たら日本で買い物した方がお得に買い物できるから外国人旅行者が増えるんやで〜
一方デフレ(deflation)とは私たちが普段買っている日用品やサービスの値段(物価)が全体的に下がる現象です。つまり、モノに対して相対的に貨幣の価値が上がっていく状態を指します。
デフレになるとモノが売れず不景気になります。企業の業績は悪化し、従業員の給与が減ったり、リストラにより失業者が増えたりします。そうなると所得が減るため、消費者は消費を控えるようになります。また、貨幣価値が上がるため、借金をしている人は負担が重くなります。そこで、さらに企業は抱えた在庫の処分売りを行うためモノの価格を下げるなど、悪循環が発生しやすい状態と言えるでしょう。
デフレになるとモノの値段が下がるので一見嬉しい事と思いますが、会社の売り上げが下がって最悪倒産してしまい世間に失業者が増えることにも繋がります。するとモノ自体が売れなくなり会社経営はますます厳しくなってしまいます。
そのほかにも、スタグフレーションといって、景気が後退していく(デフレーション)中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Inflation)」を組み合わせた合成語です。通常、景気の停滞は、需要が落ち込むことからデフレ(物価下落)要因となりますが、原油価格の高騰など、原材料や素材関連の価格上昇などによって不景気の中でも物価が上昇することがあります。景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず物価が上昇する状況は、生活者にとって極めて厳しい経済状況といえます。
経済学者の一部では先進各国のなかでスタグフレーションのリスクがもっとも高いのが日本
という意見も出ており、物価が上がっているにもかかわらず、賃金がそれに追い付いていない状況という視点ではすでにスタグフレーションに入っていると考えることも可能といっている人もいます。
その要因は、コロナ禍で工場の生産がストップしたり、流通が滞ったりしたことで、世界的に物資の供給量が減ったこと。 またロシアとウクライナの戦争により、原油などのエネルギー、食料や原材料の価格が上昇したことにあります。
んじゃどうすりゃええねん!!
実はインフレにも良いインフレと悪いインフレがあります。
良いインフレ?
良いインフレとは、人々がより多くの製品やサービスを求めるため、生産量が追いつかず、値段が上昇していくケースです。このような需要をもとにしたインフレを、ディマンドプル型のインフレと言います。この場合は、値段を上げても製品やサービスはよく売れ、企業は儲かります。そのため給与が上がり、人々はさらにモノを買うようになる。そんな良い循環が生まれ、景気はどんどん良くなり、経済成長していきます。日銀や政府が目指していたのは、まさにこのタイプのインフレです。
悪いインフレ?
もう一つ、悪いインフレとは、需要はないのにエネルギーや原材料などの生産コストが上がり、それを価格転嫁するかたちでインフレになるパターンです。こちらはコストが原因なので、コストプッシュ型のインフレと言います。今、起きているインフレは、まさにこのタイプです。需要がないのに値上げをすれば、製品やサービスは売れなくなります。よって企業は儲かりません。そもそも競争力のない中小企業は、コスト分の価格転嫁が難しいので、経営はますます厳しくなる。企業が儲からなければ、給与は上げられません。人々はますますモノを買わなくなります。そこでますます景気が悪くなる、というような完全な悪循環に陥ってしまうのです。現在のインフレは、まさにそのような危険性をはらんでいます。
物価上昇の原因は何ですか?
物価上昇の原因はさまざまですが、需要と供給のバランスが乱れることや、資源の価格上昇、経済の成長などが挙げられます。
物価上昇っていいことなの?悪いことなの?
物価上昇は一定の程度では経済の活性化につながることもありますが、過度な物価上昇は消費者の負担を増やし、経済の不安定化につながる可能性もあります。
物価から経済を読む
物価上昇やインフレーションは経済に深い影響を与える重要な要素です。日本もこの課題に向き合い、経済の安定を図るために努力しています。ぜひ、物価上昇やインフレーションについてもっと関心を持って普段のニュースをチェックして資産運用に役立てていきましょう!
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