過去5回に渡ってFX投資についてまとめてきましたが、今回はアプローチを変えて「実際にFX投資で稼いてる(稼いでいた)FXトレーダーを国内と海外でひとりずつ紹介していきたいと思います。
実際に億を稼いでいる人のFXの投資手法や考え方を通してどの点を意識して投資を行なっているかを学んでいきましょう!
与沢翼〜秒速で1億円稼ぐ男〜
株式投資やFX投資に馴染みがなくてもバラエティなどで名前を聞いたことがある人も多いのでは無いでしょうか?
与沢翼さんと言えば「秒速で1億円稼ぐ男」などで知られているようにネットビジネスや情報商材で稼いでいたという印象が強いかもしれませんが、現在はネットビジネスは行っていません。
与沢翼氏は、ドバイ在住の起業家・投資家で、スキャルピングや短期取引に特化したFXトレーダーでもあります。
与沢翼氏が、FXトレードだけで5年間で75億円の資産を築いた、というニュースはとても有名です。当時は、ドル/円(USDJPY)トレードで、毎月1億円の利益を上げていた、ともいわれています。
利用しているFX企業は、海外FXのXM(XM Trading)を利用して、数十億の利益を得たと言われています。その時に与沢翼がFXで稼いだトレード手法は、スキャルピングです。
・スキャルピングとは:
売買した通貨のわずかな差額で利益が発生した瞬間に利確する方法となります。一回の取引ではわずかな利益しか得られなくても、何度も繰り返していけば大きな利益となる「塵も積もれば山となる」と言える方法です。まとまった利益を得るには、大きな資金を投じると1回の取引でもまとまった資金を得ることが可能ですが、失敗すると一気に資金を失ってしまうので大きなリスクが生じます。スキャルピングは、1日の短い時間で取引しなくてはいけないため、チャートパターンの見極めが必要です。与沢翼はチャートパターンの見極めとして<エリオット波動>という分析方法を使用しています。
・エリオット波動:
エリオット波動とは、FXにおける分析方法の一つです。チャートには波のパターンが存在し、上昇と下降の波が規則性に基づき何度も発生することが発見されました。これをエリオット波動の「上昇5波・下降3波」と言われています。「上昇5波」の特徴として、2波の下降は1波の始点より下がらない、3波の上昇期間が長くなりやすいことがあります。与沢翼はこのエリオット波動を利用して、上昇3波目の上昇開始ポイントで購入し、頭打ちのタイミングで売却して利益を得ていました。
【与沢翼さんによると、チャートには型(種類)があるので、それを覚えるのが大切とのこと。】
当たり前ですが、FOMC、雇用統計、日銀の政策などのイベントはチェックしておき、その前後の取引は控えた方がいいそうです。※ただしイベント後の値動きが激しい時に与沢さんはエントリーして、結構な利益を稼いでいました。
例えば、各証券会社のHPを確認すると、経済指標カレンダーなどを確認できます。
与沢翼がFX取引で大切にしている事は、「いくら負けても熱くなって深追いする事は絶対にしない事」のようです。過去のバカラ等のカジノの経験から負けを取り戻そうとしてハイリスクな賭けをしてもかならず負ける方が多いので損切りのタイミングが重要だそうです。
予想が外れたら潔く間違いを認め、次のトレードに気持ちを切り替えましょう。損失を最小限に抑えておけば、次のチャンスで挽回することは難しくありません。
最初に決めた自分のルールを最後まで突き通せる人が成功していると言っています。
つまり与沢さんはエントリー時に決めたロスカットラインを後から動かすことはありません。確かにロスカットをずらすことで、損失を抱えたポジションが助かります。
勝ちよりも「負けないこと」を重視していますね!
ジョージ・ソロス:〜世界を震撼させたFXの巨人 〜
次に紹介するのは投資にあまり詳しくない人だとあまり知られていないけど、FX投資界では知らない人はいないと言える程有名であるジョージ・ソロスです。
ョージ・ソロスは、20世紀を代表する投資家の一人であり、特にFX市場での功績で知られています。彼の生涯とトレーディング手法を紐解き、彼が如何にして世界を震撼させたのかを探ってみましょう。
・生い立ちと教育
ジョージ・ソロスは、1930年にハンガリーのブダペストで生まれました。ナチスの台頭により家族はユダヤ人迫害から逃れ、1947年にイギリスに亡命しました。ロンドンで経済学を学び、その後アメリカに渡り、ファイナンス業界でキャリアをスタートさせました。 量子ファンドの創設 1980年代初頭、ジョージ・ソロスは「量子ファンド」を創設しました。これは、非常に成功したヘッジファンドであり、彼の名声と富を築く基盤となりました。量子ファンドは、為替市場や株式市場での独自の取引戦略に基づいて運営され、驚異的なリターンを生み出しました。
・ブラックウェンズデー
ジョージ・ソロスが最も有名なトレードは、1992年の「ブラックウェンズデー」に起こったものです。この日、彼は英国ポンドに対する大規模な売りポジションを持ち、ポンドの下落を予測していました。その結果、英国政府はポンドの連動相場制度を放棄し、ポンドは急落しました。このトレードにより、ジョージ・ソロスは数十億ドルの利益を上げ、一躍世界的な有名投資家となりました。
<投資手法>
ジョージ・ソロスの投資手法の中核は、「リフレクション」理論です。彼は市場の心理や投機行動を理解し、それを活かして市場の動向を予測します。彼は市場が過度に期待し、その期待が外れると市場が反応するという現象を利用し、トレードを行います。
ジョージ・ソロスの投資手法の特徴としては、リスクを抑えながら、慎重に進めていくといった姿勢がみられます。大きくかけてガッツリもうけるという考え方ではなく、はじめは損をしない程度に小さく投資をしてみて様子を見ていくのだといいます。
このような投資手法によって、自分自身のトレーディングに対する考えが間違っていないのかなど、確認や分析をしながら慎重に判断をしていくのです。このことによって、何が良かったのか、逆にどこで判断を誤ったのかが良くみえてくるのです。このような経験と知識を積み重ねていくことで、どういった銘柄を選べば良いのかという判断につながっていきます。
これらの投資手法は、一見すると弱腰であるかのようにも見えます。しかし、ソロス自身の「常に自分は間違っているかもしれないと思いながら行動する」という精神哲学とも、大きく関係があるようにも見受けられます。投資家であり慈善家でもあるソロスの、一貫した哲学が投資姿勢にも表れているかのようですね。
投資で勝つためには、「自分の予想が絶対正しい」とは思い込まない慎重さが必要です
<影響と遺産>
ジョージ・ソロスのトレードは、単なる利益だけでなく、世界経済に大きな影響を与えました。彼の成功は、為替市場や金融市場全体に対する投資家の考え方や取引手法にも影響を与え、彼の遺産は、その後の投資家やトレーダーにとっての重要な学びの源となりました。
彼の独自の投資手法や卓越した洞察力は、多くの投資家にとって尊敬すべき存在です。彼の生涯は、リスクを冒し、大胆に挑戦することの重要性を示しています。
まとめ
今回は国内外合わせて2名のFXトレーダーに焦点を当てて投資哲学や投資手法を見ていきましたが、活躍していた時期は違えど共通しているのは「チャートを最大化まで俯瞰で観察し、複合的に情勢を捉える」「常にリスクを把握して投資を行う」点です。
「物事は全て理由があって動いている」
ことを十分に理解して投資していきましょう!
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