今回は低リスクで年4〜5%の利息がもらえる米国債投資について解説していきます!
世界の利上げトレンド
2022年以降世界中で利上げが行われていました
米国の政策金利は5.50%であり、比較的低リスクで4〜5%の利息が狙えるようになりました。
<出典 SBI証券>
先日日本も17年ぶりに利上げを発表しましたが、まだまだ低金利の水準の分類です、、、
今回の記事は、
まだ若くてガンガンリスクをとって利益を増やしていく若い人より
50〜60代で積極的なリスクは取れなくて、安定したインカム・利子所得が欲しい人に向いていると思います。
1.債券とは?
債券とは、政府、企業、地方自治体などが資金を調達するために発行する借用証書のことです。債券を購入する投資家は、発行体(債券を発行した組織)にお金を貸し、その代わりに一定期間後に元本と利息を受け取る権利を得ます。債券は「固定収入証券」とも呼ばれ、安定した収益を期待できる投資手段の一つです。
発行体により以下に分類されます。
・政府:国債、地方債
・企業:社債
・地方自治体:地方債
米国債の図
債券投資のキモは発行体を信用できるかどうかです!
要はアメリカが破綻しなきゃ大丈夫!!
とはいえもしも、、、
アメリカ:利払いしたけど金がないっす〜。元本返したいけど無理っぽい
=負けとなります。(デフォルト)
【過去デフォルトしたことのある国】
・アルゼンチン
アルゼンチンは何度もデフォルトを経験している国として知られています。特に有名なのは以下のケースです:
2001年:アルゼンチンは約1000億ドルの債務を抱えてデフォルトしました。これは当時、国家デフォルトとしては史上最大の規模でした。
2014年:再びデフォルトを宣言しました。この時は2001年の債務再編に応じなかった債権者との法的紛争が原因でした。
・ギリシャ
2012年:ギリシャは欧州債務危機の一環としてデフォルトしました。債務再編により、ギリシャ政府は債権者に対して債務の削減を求めました。
・ロシア
1998年:ロシアは経済危機により、外貨建て国債の利払いを停止し、事実上デフォルトに陥りました。この危機はルーブルの急落と深刻な経済混乱を引き起こしました。
・エクアドル
2008年:エクアドルは約32億ドルの外債の支払いを拒否し、デフォルトを宣言しました。政府はその債務を「不正義な借金」とみなし、支払いを停止しました。
・ウクライナ
2015年:ウクライナは経済危機と戦闘行為により、債務再編を行い、事実上デフォルトしました。
・ジンバブエ
2000年代:ジンバブエはハイパーインフレーションと経済崩壊の中で、国際債務の返済が不能になり、デフォルトしました。
・パキスタン
1999年:パキスタンは外貨準備不足により、対外債務の返済を停止しました。
米国債の魅力3選
【世界トップレベルの信用力】
<出典 Let’s gold>
格付会社3社が各国の国債をどう評価しているかの表です。
<アメリカは世界最大の経済大国>
・イノベーションが起きやすい環境
世界を牽引しているIT産業のトップ
・強い金融法制
世界中のお金が米国に流れ込んでいる
・世界最大の軍事力
・潜在成長力の高さ
世界最大の消費大国で人口も増加トレンド
・自給率の高さ
先進国の中では食料やエネルギーの自給率が高い
もし仮にアメリカがデフォルトするような事態があれば世界経済はパニック状態なのであると予想されます。(株式や不動産も何かしらの影響を受ける)
=米国債に異変があればどんな投資をしていても損をするので諦めがつくレベルの投資です。
【暴落相場に強い】
過去のリーマンショックやコロナショックが発生した際に投資家がこぞって買ったのは米国債でした。
投資家の中で、世界が不安定であっても米国政府なら元本と利息はきっちりと払ってくれるだろうと考えているから。
<債券ファンドと生債券の違い>
- ・債券ファンド
-
債券ファンドは、投資家から集めた資金を用いて、主に債券(国債や社債など)に投資する投資信託の一種です。
- ・生債券
-
債券そのものであり、ファンドのようにパッケージされていない。
証券会社から直接単品で買う債券
債券ファンドには満期まで持ち切るという概念が無いです。
ファンドマネージャーが債券を売ったり買ったりしているので投資元本を取り戻したければ自分で売るしかないです。
生債券を満期まで持ち切れるなら5%の下落ですらノイズレベルであります。
なぜなら満期まで持ちきれれば額面の満額が戻ってくるからです。
急にお金が必要になり債券を売らなかれば行けなくなる事態さえ避けられれば償還日までの値動きは気にしなくても良いのである「米国が倒れない限り償還日を待つ!」
【金利が高い】
<出典 Bloomberg>
本来であれば償還日までの期間が長ければ利息が高くなる。
米国には金利を上げても経済破綻を起こしにくいという経済力の現れである。
金融の大原則として、「高金利=ハイリスク」という考えがあるので注意が必要です。
現在日本の金利は低金利政策により1%未満であるが米国債30年で4.56%です。
金融の大原則に則ると、「日本の方がローリスク」という結論になりますが、実際そう思いますか?
アメリカの方がローリスクな気がする、、、
そもそも何で日本は金利を上げなかったのか?
理由は日本が金利を上げたら経済が破綻しかねない状況だからです。
金利を上げることによって、、、
・政府は利払いがキツくなる。
・企業は高金利によってお金を借りられなくなり、設備投資ができなくなる
つまり金利を上げられる国は経済力がある国だという側面があります。
米国債のリスク3選
【価格変動リスク】
金利と債券の基本的な関係は「金利が上がると債券価格が下がる。逆に金利が下がると債権価格が下がる。」
理由は、、、、
今金利4%の債券を持ってたとして、来年に金利5%の債券が発売されたら投資家は後から発売した利回り5%の債券を買いたくなると思います。
そのため4%の金利の債券を欲しがる人はいないので債券価値は下がってしまいます。
反対に今金利4%の債券を持っていて、来年は3%の金利の債券が発売されたとすると前もって4%の債券を持っていた人の債券価値はみんなが欲しがるので価値は上がります。
価格変動リスクは時価で頻繁に売買しようとするから気になる。
なので価格変動リスクを考えなければならないケースは債券ファンド(債券ファンドには債券を満期まで持ち切るという概念がない)で自分で時価が高い時に売らなければならない人です。
一方生債券なら満期まで持ち切れば「元本+利息」が帰ってくるので価格変動は無視しても良いレベルのリスクです。
もちろん途中で資金の問題で債券を売らなければならない事態にならない前提の話なので、あくまでも余裕資金で投資するのがポイントです。
【信用リスク】
債券投資は「発行体が潰れたら終わり」の投資です。
例え米国債であっても破綻してしまうリスクはゼロではないのです。
一般的に満期まで持ち切る投資はかなりの危うさを含んでいます。満期までの期間が長ければ長いほど世界がどう変化しているかわからないためです。
世の中には沢山の国の債券がありますが個人的には満期まで持ち切れそうな国債は米国株だけだと考えています。
なので高金利に騙されて変な国の債券を狩らないように注意しましょう。
信用リスクこそが債券投資の基本
【為替リスク】
例えば1ドル100円で国債を1ドル分買って、5年後の満期の際に1ドル50円の円高になっていた場合50円にしかならないので50円分減ってしまっている。
為替リスクとはこのように円の値段によって最終リターンの金額が大きく変化するリスクです。
<円高=損をする 円安=得をする>
米国債を購入したらあとは発行体が潰れないように祈るだけなのです!
米国債(生債券)の買い方
債券の買い方は
証券会社又はネット証券で通常の株式投資や投資信託の取引と同じように債券を買うだけです。
・米国債の種類
新発債:新たに発行された証券
既発債:すでに発行されており市場で売買されている国債
基本的に日本の個人投資家が購入できるのは既発債です。
米国債を購入するにあたって
米国債の特徴やメリット・デメリットを説明してきましたが、あくまでも投資の選択肢の一つとしての役割だと思っています。
なぜなら生国債を購入するにあたって知るべきことは
①短期債や中期債・長期債のリスク・リターンの違い
②購入時の手数料について
③経過利子について
など勉強しておくべきことが沢山あります。
なので勉強のつもりで少し買うという理由なかともかく知識が浅いうちにがっつり買うようなものではないのでその辺を特に理解していただきたいと思います。
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